僕が彼女を殺しました・・・。
「おい祐樹!!止めろよ!!!」


目の前に居るのは、俺の大好きな弟。

そしてここは・・・ビルの屋上・・・。



『来るな!!』


『俺は・・・もう・・・嫌なんだよ・・・。』




『1人で居ることに・・・・疲れたよ。』


「お前には俺が居るじゃねぇか!!」


祐樹は首を横に振る。


『俺は・・・1人だったよ・・・。』


『兄ちゃんの所に引き取られた時からも・・・』



『俺はずっと1人だったよ・・・!!!』



「・・・・。」

祐樹の言葉に、俺は動く事が出来なかった。



『兄ちゃんも父ちゃんも・・・』


『一度だって俺を本気で怒ってくれたことあるか?』





『俺は・・・・怒って欲しかったよ・・・。』


『・・・本気で怒って欲しかった!!!』





『所詮、俺は・・・血の繋がってない他人だったんだろ・・・?』

『本当の家族なんて・・・俺にはなれなかったんだろ!!!』




『もう・・・一人は嫌だ・・・。こんな苦しい思いは・・・もう嫌なんだよ・・・。』





『兄ちゃん・・・ばいばぃ・・・。』

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