僕が彼女を殺しました・・・。
頭ばかり下げてる父さんを笑って、馬鹿にして、

怒鳴り散らした最低な奴。


『それだからお前はダメなんだよ。』


『お前恥ずかしくないのか?』


『お前なんて、一生へいこら頭下げとけ。』



その傍で叔母さんも娘も、俺たち家族をあざ笑った。






あんな奴らの世話になるよりも、

1人で居るほうが、何倍も幸せだ。







「もうすぐだよ。この角を曲がってすぐのとこ。」


「ここだ。」


おっさんは車を止めた。

目の前にある建物は、小さなアパート。

白い壁が、少し黒く汚れてた。



でも、こういうのは嫌いじゃない。


あまりキレイすぎるところは、
何だか俺には似合わないから・・・。




「ここの2階だよ。」

階段を昇るごとに、カンカン音がした。


「あれ・・・どこにしまったっけな・・・。」


おっさんがごそごそと何かを探す。


きっと鍵でも無くしたんだろう・・・。
本当にこの人は・・・はぁ・・・。



「あぁ!あったあった。」


そう言って鍵をあける。

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