出会ったトキから。
「なに?友達??」

「え、うん。
彼氏…できたって」

「俺らのことは言わないの??
その友だちに」

「そ、それは…」

どうせ、相手になんかされてない
ニセモノの彼氏を…
加奈になんか紹介できないょ。。

「なに悩んでんの??
貸して、俺が打つから」

はっ??

そういうと俊は私の手から
携帯をとると
さっそく文章をうち始めた。

どんなこと書いてるんだろ…?

変なこと、書いてないょね??

「はいっ!!!
送っといたからなー」

はぁー!?
確認もさせないで勝手に送ったって言うの??

私はあわてて送信メールBOXを開いた

そこには、私にとっては
真っ赤なウソが
たくさん並べられていた。

『加奈☆
私も彼氏できたぁ!!!
もぉサイコーの出会いで❤
すぐ付き合うことになったんだぁ!!

私も今度紹介するねぃ☆』

「なにこれ…」

「え、ダメだった??」

「だって、ウソばっかじゃん。
“サイコーの出会い”とか…」

「サイコーじゃね??
空にとっては違った??」

「っ……」

俊に直接聞かれると
思ってることが上手く言えない。
正直、サイコーかサイアクか…
自分でもはっきりとはしてないし…。

「でもさ、あの出会い方で
付き合うってなかなかないょね!!!
これってサイコーじゃないの??」

「その…えっとぉ……」

「じゃぁ、空は俺と出会って今、
どんな気持ちだょ?
それでいいか悪いかなんて決まるもんだろ??
大事なのは【今】だょ。」

そんなこと言われたって…

「私は、その…最初はサイアクって思ってたょ。
今は……」

「うん。」

「私が勝手に一目惚れして…
それなのに俊と付き合えてる…
だから、サイコーの出会いっていうより
出会いはサイアクだけど
今はサイコーって感じ…かな??」

「そうか…。
空がそう思ってるならよかったょ」

「ごめん、私なんかが彼女で。」

「なんでだょっ!?
俺が言い出した話だし
空がイヤならすぐやめるし。」

「ううん。」

この時の俊は今まで以上に
優しい表情をしていた。
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