恋*クル〜2nd〜
気まずい空気が流れるなか、麗が口を開く。
「でもさ……、本当にヤったのかな」
「えっ?」
関係をもってしまったことは、確定だと思っていたのに。
麗が基本的なことを突いていく。
「ねぇ、梓。まったく記憶がないって言うけど、少しくらいは残っていない?」
「……全然残ってない」
「じゃあさ、身体に違和感はなかった?」
「違和感?」
「特に下半身。痛いとか……」
あの朝のことを思い返してみるけれど、違和感なんてなかった。
と言うよりも、そんなものに気づく余裕がなかったのかもしれない。
同じベッドの中で、市橋くんと朝を迎えた。
その現実で、ひどく混乱していたから。