恋*クル〜2nd〜
「よく分かんない……」
あの日のことがフラッシュバックして、また泣きそうになってしまう。
そんなあたしを見て、麗は小さく溜息をついて言う。
「とにかく、なかったことにするのよ」
「……でも……」
「“浮気しました”って正直に言うつもり? いくら武人くんだって、浮気は許せないと思うよ?」
麗の言うとおりだ。
バカみたいにあたしを好きだと言ってくれる武人であっても。
浮気したことを許せるくらい、寛大な心をもっているはずがない。
「何が何でも、隠し通すのよ?」
念を押して言う麗に、あたしは大きく頷いた。