恋*クル〜2nd〜


「……今は無理だよ。結婚していたことを知ったからって……」



それはダメだよ。

猛反対しようとしたけれど、言葉が出てこなかった。

気の強い麗が、あたしたちの前で初めて泣いたから。


これまでの麗の恋愛は、軽いものばかりだった。

男に振られても、気にもしない。

二股かけられていたことを知った時も、“二番目なんて冗談じゃない”と、すぐに別れを告げた。

そして落ち込む暇もなく、“さっ、次いこう”って感じで、すぐに新しい男を見つけてくる。



「とにかく、いずれは別れないと……ダメだよ?」

「……うん……」



泣き続ける麗の肩を、真千子は優しく抱き寄せ、静かにそう言った。


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