恋*クル〜2nd〜
いつもの調子で断ろうとしたけれど、言葉が出てこない。
いつまでも拒み続けている場合じゃない。
市橋くんとは……“何もなかった”んだから。
武人は、あたしの大好きな彼氏なんだから。
「――うん、いいよ」
自分から誘っておきながら、武人はあたしの返事を聞いて目を丸くして唖然としていた。
「……なによ」
「いやっ……、まさか梓ちゃんがOKするとは……っ」
「じゃあ泊まらない」
「いやいやいや、ごめんっ。泊まって!」
クールな態度で誘ってきた武人は、ヘタレ口調であたしを引き止めた。