恋*クル〜2nd〜
「なに……?」
あたしの後ろ髪は、肩につかない、結べるか結べないかの微妙な長さで。
自分の首の後ろなんて、ここ最近、見たことがなかった。
「……鏡で見てこいよ」
力なく呟く武人。
おそるおそる振り返ると、武人はあたしを見ようとせず、俯いていた。
首筋を押さえながら洗面所へと向かったあたしは、三面鏡になっている両サイドの鏡を引き寄せ、首の後ろを見る。
「―――っ!!」
後ろ髪に隠れていた、その部分には。
うっ血したような小さな痕が、うっすらと残っていた。