恋*クル〜2nd〜
なんの凹凸もない平坦な痕は、痛みもかゆみもなくて、すぐにそれだと分かる。
「それ、誰につけられた?」
突然、声が聞こえてきて、あたしはビクリと震え上がる。
顔を歪ませた武人が洗面所の入り口に立っていて、刺すような視線を向けて答えを待っていた。
“絶対にバレたらダメだよ”
“金森には言うなよ”
麗と市橋くんの忠告……。
「……どこかで……打った……みたい」
だけど。
あたしは嘘をつくのがとてもヘタで。
震える声で言ったあたしの嘘を、武人は一蹴した。