恋*クル〜2nd〜


なんの凹凸もない平坦な痕は、痛みもかゆみもなくて、すぐにそれだと分かる。



「それ、誰につけられた?」



突然、声が聞こえてきて、あたしはビクリと震え上がる。

顔を歪ませた武人が洗面所の入り口に立っていて、刺すような視線を向けて答えを待っていた。



“絶対にバレたらダメだよ”

“金森には言うなよ”


麗と市橋くんの忠告……。



「……どこかで……打った……みたい」



だけど。

あたしは嘘をつくのがとてもヘタで。

震える声で言ったあたしの嘘を、武人は一蹴した。


< 135 / 213 >

この作品をシェア

pagetop