恋*クル〜2nd〜


同窓会に行ったことを“心配だった”って言うから。

てっきり市橋くんのことかと思って……。



「市橋の名前がすぐに出てきて、梓、すごく動揺してたよな」

「………」

「市橋と……そういうことになったわけか」



呆れたように、武人は呟く。

いっそのこと、思い切り罵ってくれたほうがまだマシだ。

怒りに任せて殴られた方が、まだいいのかもしれない。


あまりにも冷静な態度だから、あたしは黙っていることしかできない。



「――梓。どうなんだよ」



冷ややかな顔で、武人はあたしを見据える。


< 137 / 213 >

この作品をシェア

pagetop