恋*クル〜2nd〜
冷静さを失わないように、何度も深い呼吸を繰り返しながら、俺は、梓と市橋のことを話した。
信一は終始、口をぽかんと開けたまま、険しい顔つきだった。
「……本当にヤっちゃったんすかね」
話を聞き終えた信一の、第一声に耳を疑う。
梓の首筋に、痕跡があるのに。
俺はそれをはっきりと見て、市橋とのことを問い詰められた梓は「ごめん」と確かにそう言った。
それはつまり……
本当に市橋と関係をもったのか? と疑問を呈する以前に。
梓が謝った時点で、浮気は確定してしまったんだ。