恋*クル〜2nd〜


「……同窓会の夜、でしょ?」



難しい顔をした信一は顎を指で擦りながら、持論を展開し始める。



「酒を飲んでいたかもしれないし……。酔った勢いでそうなったのか、記憶がないままやられちゃったとか……」



信一の予想は、どれも都合のいいことばかりだ。


梓の俺に対する気持ちが確かなものだという前提――……



「……でも、相手は昔付き合っていた男だぞ? 梓があいつに気持ちが揺れてしまったってことも……」

「――アニキ……」



信一は呆れ顔で、深い溜息をつく。



「なに弱気になってるんですか。
梓さんと話し合いました?
どういう流れでそういうことになってしまったのか。
梓さん本人の気持ちも確かめました?」



< 146 / 213 >

この作品をシェア

pagetop