恋*クル〜2nd〜
「……同窓会の夜、でしょ?」
難しい顔をした信一は顎を指で擦りながら、持論を展開し始める。
「酒を飲んでいたかもしれないし……。酔った勢いでそうなったのか、記憶がないままやられちゃったとか……」
信一の予想は、どれも都合のいいことばかりだ。
梓の俺に対する気持ちが確かなものだという前提――……
「……でも、相手は昔付き合っていた男だぞ? 梓があいつに気持ちが揺れてしまったってことも……」
「――アニキ……」
信一は呆れ顔で、深い溜息をつく。
「なに弱気になってるんですか。
梓さんと話し合いました?
どういう流れでそういうことになってしまったのか。
梓さん本人の気持ちも確かめました?」