恋*クル〜2nd〜
一歩踏み出さないと、こじれたままの状態が続く。
気持ちを切り替えて、“何もなかった”ことになんかできやしない。
梓との接触を避け続けて自然消滅、なんてのも嫌だ。
「………」
とても深く、長い溜息をこぼしたあと、
俺はゆっくりと立ち上がり、梓のアパートへと向かった。
梓のアパートまでの短い距離。
いろんなことを思い出だす。
高校時代のこととか、初めて出会ったときのこととか……。
そして、ふと思う。
あの頃は、まだ幸せだったな――……