恋*クル〜2nd〜
「でもさぁー……」
さっきまで心配顔だった真千子が、眉間に皺を寄せて口を開く。
「市橋くんって、ひどくない?」
責める鉾先は、あたしの過ちの相手、市橋くん。
「梓が酔い潰れてるのをいいことに……。武人くんと付き合っているって知っているんでしょう?」
「うん、知ってる」
「だったら尚更だよ。男として最低だし!」
真千子はひどく怒って、グラスに注いだ麦茶をやけ酒のように一気に飲み干した。
「……そうかな。あたしは市橋くんの気持ち、分からないでもないけど……」
ポツリと呟いた麗の言葉に、あたしと真千子は思わず息を呑む。