恋*クル〜2nd〜
*親友の恋*
八月の終わり。
あたしは、信一くんをいつものファミレスに呼び出した。
「……浮気者」
待ち合わせの時間より少し遅れてやってきた信一くんは、開口一番にそう言った。
でも、その表情は責めているものではなく、意地悪そうに笑っている。
「武人に聞いたんだ」
「そりゃあ、アニキの一番弟子ですから。ぜーんぶ聞きましたよ」
「……そう」
黙りこくってコーヒーを飲むあたしに、信一くんはイラついたように言った。
「あーっ、もう! 調子狂うなぁ。いつもの調子で、“浮気したけど、それが何か?”くらい言い返してくださいよっ」
「……あんたねぇ」