恋*クル〜2nd〜
*武人 side*
――広大な、学生用の駐車場。
車を持っていない俺は、初めてそこに足を踏み入れた。
車種は様々で、いかにも中古という感じの軽自動車から、親に買ってもらいましたと言わんばかりの学生には不釣合いな外車まであった。
「……話って何だよ」
「江田とのことだよ」
駐車場の縁石に腰を下ろした市橋に、俺は不機嫌さを露にする。
いつか、コイツとも話をしようと思っていた。
どういうつもりで、梓と関係を持ったのか。
そこにあった、市橋の気持ちは何だったのか。
最初に話を振るのは俺の方だと思っていたのに。
まさかコイツの方から、寄ってくるなんて。
それが余計に、俺を苛立たせる。