恋*クル〜2nd〜
「俺と付き合っているって知っているくせに?」
「知っていたからって手を出すのはダメなのか? 好きなのに?」
淡々と、市橋は言う。
理屈ではコイツの言いたいことも分かる。
好きだからこそ、手段を選ばないやり方。
でもそれは、梓を傷つけ、俺たちの関係を崩してしまった。
黙りこくった俺に、市橋はさらに言葉を続ける。
「……でも、今はすっげー後悔してるよ。江田を傷つけてしまったし、卑怯なことをしてしまったって」
「…………」
市橋は「悪かった」と言って頭を下げるけれど……。
やっぱり俺は、「もういいよ」と、そう簡単に許すことができない。