恋*クル〜2nd〜
――それから数日後の日曜日。
信一が俺のアパートにやって来た。
正確に言えば、俺が信一を呼び出したんだ。
昔から俺は、何かに追い詰められたとき、決まって信一に愚痴をこぼしていた。
そのたびに信一は、少し恐縮したように、的確なアドバイスを下す。
「……なるほど」
胸に詰まった思いを吐露すると、信一は腕を組み、考え込むような顔つきで頷いた。
「でも、実際どうなんでしょうね」
「……なにがだよ?」
「高校の時、アニキは梓さんに迫っておきながら、悦子さんとヨリを戻したわけでしょ? その時に確か……、悦子さんとエッチしたこととか、梓さんに話したでしょ?」
――確かに、そんなこともあったっけ。