恋*クル〜2nd〜
「話って……なに?」
このまま沈黙が続きそうな気がして、あたしは思い切って切り出す。
武人は一瞬だけあたしを見たけれど、すぐに目をそらし、肩で大きく深呼吸してから口を開いた。
「市橋とのことだけどさ……」
「――うん」
あたしはまた、責められるのかな。
あたしが自分の気持ちを訴えても、武人に届くのかな。
心臓が、ドクドクと痛いくらいに大きく波打つ。
「あの夜、おまえと市橋は何もなかったんだよ」
「……えっ?」