恋*クル〜2nd〜
「――ところで梓ちゃん」
「………?」
あたしの口を塞いでいた手をゆっくり放しながら、武人が改まって言う。
「今晩あたり、どうでしょうか?」
「……はっ!?」
今の今まで、すごく深刻な話をしていて。
すべてをなかったことにしよう、と、穏やかに笑う武人に涙したのに。
予想もしていなかった、突然の、そして急な誘いに、あたしは開いた口が塞がらない。
「覚悟、出来てるんだろう?」
「……あ……、いや……あの……」