恋*クル〜2nd〜
本当に調子狂う。
どっちが主導権握ってんのか分かんないよ。
ほらね。
あっという間に、主導権は武人の方に移っちゃってるし。
あたし、何も言い返せないし。
「あの木、知ってる?」
「……?」
窓辺に置かれた小さな観葉植物の鉢植えを、武人が指さす。
緑の葉っぱをたくさんつけた、小さな小さな一本の木。
植物に詳しくないあたしは、きょとんとして首を傾げる。
「モンキーポッドって言ってさ、ほら、日曜日の夜に大きな傘のかたちをした木のCMがあるだろう?」
「あ、知ってる。これって、あの木なの? こんな小さいのが?」