恋*クル〜2nd〜
市橋くんはいつも楽しそうに、武人を茶化していて。
あたしはそんな彼を見ていると、とても複雑な気持ちになるんだけど……。
いつだったか、去り際に市橋くんがボソリと耳打ちしてきたことがあった。
「江田のこと、吹っ切る自信あるから。心配すんな」
そう言った市橋くんの顔は、とても晴れ晴れとしていて。
あたしみたいな女、とっとと忘れて。
もっと良い子と出会って、素敵な恋をしてほしい。
心の底から、市橋くんの幸せを願った。
――そして……
もうひとつ、あたしが気がかりだったこと……。