恋*クル〜2nd〜


「モンキーポッド……。見に行くって約束したからな」



小さな手の主は、スースーと寝息を立てて深い眠りについている。

その愛くるしい寝顔を眺めたあと、あたしと武人は顔を見合わせて笑った。


少しのあいだ笑いあったあと。

あたしと武人はゆっくりと顔を寄せ合い、唇を重ねようとする。



「……ちゅー……してんじゃないわよ……」

「!!!!!」



ちょうどその真下から、あたしにそっくりな、上から目線の口調が聞こえてきた。


六歳になる娘・莉子が顔をしかめ、どことなく冷めた表情で、あたしたちをじぃっと凝視していた。



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