恋*クル〜2nd〜
動揺している武人。
あたしは冷静な態度で、手元にあった冊子で莉子の頭を軽く小突く。
「いたぁーっ!」
「莉子、そんなキスは大人になってから!」
ぷうっと頬を膨らませる莉子に、今度は武人が言う。
「そうそう。パパを超えるいい男とするんだぞー?」
「……パパ以上のヘタレってこと?」
「……いや、そうじゃなくて」
子煩悩な武人は、莉子にとって“ヘタレ”のようだ。
でも実際は、違うんだよ。
結婚して、莉子が生まれてからも、あたしは時折見るクールな武人にドキドキしてしまう。