恋*クル〜2nd〜
お茶碗に盛られたご飯を覆うようにしてのっかっている、ピンク色の“アレ”。
「さくらでんぶだけど?」
悪気もなく、爽やかな笑顔でさらりと言ってのける武人。
「あたし……、大嫌いって言ったよね!? 知ってるよね?」
詰め寄るあたしに、武人は怯むこともせず。
むしろ、あたしが最も逆らえない、あのクールな表情になってニッと笑う。
「……梓」
「はっ……はい???」
グラタン皿を持っていたあたしは、思わず後ずさりをする。
そのまま身をかわすつもりが、ドンッと背中が壁にあたり、行き場を失ってしまった。
「なっ、なに?」