恋*クル〜2nd〜


「大っっ嫌い! 分かりきってるでしょ?」



この至近距離といい、態勢といい。

すごく緊張して胸がドキドキと鳴り止まないのに、あたしの口はいつもの口調で切り返す。



「……でも、食べろよ?」

「はぁっ?」



あたしが素っ頓狂な声を上げると、武人は不敵な笑みを浮かべたまま両手を壁から放した。




「なに? 嫌がらせ? なんでっ?」



さくらでんぶの意味が理解できず問い詰めるあたしに、武人は楽しそうに言った。



「……人の話も聞かずに、ボケーっとしているからだよ」




< 28 / 213 >

この作品をシェア

pagetop