恋*クル〜2nd〜
「……ごめん」
さすがに、言い返せない。
武人と一緒にいるのに、市橋くんのことを考えていたのは事実で。
しかも、武人があたしを呼ぶ声にも気づかないくらい、どっぷりと過去のことに浸りきっていたあたし……。
話を聞かなかった罰として出された、さくらでんぶのご飯。
あたしは涙目になりながら食べた。
“もういいよ、無理すんなよ”
そんな武人の言葉をどこかで期待していたけれど……。
それは空振りに終わっただけじゃなくて。
「……俺以外の男のこと、考えんなよ」
あたしが呆けていたわけを武人は全部お見通しで、チクリと釘を刺してきたんだ。