恋*クル〜2nd〜


「……俺ら、嫌いになって別れたわけじゃないから。やり直そうと思えば、いつでもやり直せるし」

「………」



ちょっと……。

武人、なんで黙っているわけよ?

何か言い返してよ!



あたしは武人の言葉を待っていたけれど……。

結局、武人は一言も言葉を発しないまま、始業ベルが鳴ったと同時に自分の席へと戻ってしまった。



「……あいつ、彼氏としての威厳、まるでないじゃん」



教授が講義室に入って来る直前。

あたしの前の席に座る市橋くんが、振り返ってボソリと呟いた。



「……最っ低」



楽しそうな様子の市橋くんに、あたしは本気で腹が立って、嫌悪感丸出しで言い返した。


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