恋*クル〜2nd〜
「好きなら好きって……」
「――いいんです」
「えっ……?」
オレンジ色に染まった紙ナフキンをくしゃくしゃに丸め、信一くんは言う。
「麗さんにはその人とうまくいってほしいから。俺はそれでいいんです」
「……本当にそれでいいの?」
「――はい。麗さんは、その人のこと本当に好きだから」
いつもはあたしに対して生意気な態度を取るのに。
無理して笑う信一くんを見ていると、胸が苦しくなる。
麗はあたしの親友だから、好きな人とうまくいってほしいと思う。
でも同時に、信一くんの恋も叶ってほしいと思う。
「恋愛って、そういうもんなんですよ」
すっかり閉口してしまったあたしに、信一くんは静かに笑いながらそう言った。