恋*クル〜2nd〜
ただボケーっと待つのは、いろんなことを考えてしまって、それはよからぬ妄想へと突っ走ってしまいそうで。
あたしは携帯を取り出し、アプリゲームに没頭する。
どれだけの時間が経ったのかは分からない。
こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてきて、あたしは携帯から視線を移す。
「あ……」
大学を出たときと同じ姿の武人が、濡れた傘を片手に立っていた。
武人はあたしに気づくと、ひどく驚いたような表情をして立ち止まる。
「あの……武人……」
重苦しい雰囲気を感じながらゆっくりと腰を上げると、武人の後ろの方から、誰かが小走りに駆け寄ってくる姿が見えた。