恋*クル〜2nd〜
「もう武人っ、先に行かないでよ。あたし、傘持ってない……」
――え……っ?
なん……で……?
口を尖らせて文句言いながら武人に駆け寄ってきたのは、悦子さんだった。
「あ……。梓ちゃん!?」
「……悦子さん……」
あたしに気づいた悦子さんは、気まずい表情をするどころか、とても嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた。
「久しぶりだねーっ。元気にしてたー?」
悦子さんは興奮したように、あたしの両手をぐいっと掴み、ぶんぶん振りながらはしゃぐ。