恋*クル〜2nd〜
「あたしがここに来たのは……、自分の気持ちをちゃんと話そうと思って」
「自分の気持ち?」
「うん。……あたしは市橋くんとヨリを戻す気なんか、全然ないし。それに……」
「――それに?」
“あたしには、武人だけから”
喉元まできているのに、その一言が言葉にできなくて口を噤む。
「なんだよ、言えよ」
「う……っ……」
なんでこういう時に限って、クールな武人なのよ。
ヘタレな武人だったら、さらりと言えるのに。
あんまり、じっと見ないでよ。
そんなに見つめられたら、あたし、言えるものも言えなくなっちゃうし。