恋*クル〜2nd〜
いつもなら、頭を一発殴ってツンとそっぽを向くかもしれない。
でも、ヘタレ男じゃない今の武人にそんな態度なんか取れるはずもなく、あたしは無言でコクリと頷いた。
「かわいいな」
「なっ……!!」
にこにこと笑いながら頭を撫でてくる武人。
「悦子に相談していたんだよ」
「……相談?」
頭を撫で続けている武人の顔を覗きこみながら、あたしは小首をかしげる。
「さすがの俺も、ちょっとばかり自信をなくしてさ。講義室出て行ったあとに、ソッコー悦子に電話して……」
「うん……」
「“梓をとられるかもしれない”って」