恋*クル〜2nd〜


「悦子のことを思い出すわけないだろ?」



優しい口調が、あたしの涙腺をさらに緩ませる。



「考えすぎだよ。俺の頭の中は、梓のことでいっぱいなんだから」

「……っ……、ううっ……っ」

「梓が怖いんなら、無理強いはしないし」



あたしのはだけたシャツを整え、武人は自分が外したボタンを下から順番に留めていく。



「覚悟ができたら、いつでもきて?」

「……き、きてって……、あたしから誘えと??」

「じゃなきゃ分かんないだろ? 今みたいに拒否られたら、男心が傷つくし」

「……傷つく、の?」

「あたりまえだろ」



拗ねたように言った武人は、スッと立ち上がる。


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