恋*クル〜2nd〜


自分のバカさ加減のほとほと呆れて。

あたしは慌ててリビングに戻り、テレビの電源を入れた。


たいして面白くもない、ワイドショー。

内容が頭に入らないのは、面白くないからじゃない。


武人は今もあたしに背を向けたまま、冷蔵庫を物色し始めている。



普通、ああいうときは……。

心の準備ができていないとはいえ、武人に身を任せたほうが良かったのかもしれない。



“男心が傷つくんだよ”

そうか。

緊張と恐怖のあまり、あたしはそんなこと考えてもいなかった。



じゃあ、今までも……。

武人とのキスのあとに、そういう雰囲気になった時も。

いつも武人は“しかたないな”って顔で笑っていたけれど、実際は傷ついていたのかな。


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