もう一つの赤ずきん
私の赤ずきん物語
「どこ行くの♪」
知らない声に振り向くと知らない男が1人。
笑った口から犬歯が見えた。
「誰?あなた。」
「俺?オオカミ♪『赤ずきんちゃん』に出てくるアレ♪」
冗談なのか本気なのか分からない言葉。
でもこの退屈な世界から私を連れ出してくれる気がした。
「じゃぁ、私は『赤ずきん』かしら?」
「……そうかもね。━━逃げないの?(笑)」
一瞬覗いた寂しい表情が私を掴む。
「さぁ?」
後ろを向いて問いかける。
白い雪は相変わらず、私の髪に積もっては溶けてを繰り返す。
もう一度振り向くとあいつはいなかった。
うっすらと積もる雪の上には猫や犬のような動物の足跡。
新しく降る雪は、その存在をなかったことにするように足跡の上に降り積もっていった。
知らない声に振り向くと知らない男が1人。
笑った口から犬歯が見えた。
「誰?あなた。」
「俺?オオカミ♪『赤ずきんちゃん』に出てくるアレ♪」
冗談なのか本気なのか分からない言葉。
でもこの退屈な世界から私を連れ出してくれる気がした。
「じゃぁ、私は『赤ずきん』かしら?」
「……そうかもね。━━逃げないの?(笑)」
一瞬覗いた寂しい表情が私を掴む。
「さぁ?」
後ろを向いて問いかける。
白い雪は相変わらず、私の髪に積もっては溶けてを繰り返す。
もう一度振り向くとあいつはいなかった。
うっすらと積もる雪の上には猫や犬のような動物の足跡。
新しく降る雪は、その存在をなかったことにするように足跡の上に降り積もっていった。