再会
「ケイタは出張中にこんなとこでサボってて平気なの?」
暗い表情を悟られたくなくて早口で言う。
「あ、うん。今から取引先に行くとこなんだけど、予定より早く着き過ぎちゃったから時間潰してるだけ。サボってんじゃねえよ」
「あはは。相変わらず慎重に行動してんだね。ケイタらしいわ」
「うるさいよ」
ケイタが微笑む。
あの頃から比べると皮膚の弾力がなくなったように見える。
目尻のシワが時の流れを感じさせる。
後ろめたさからか、やっぱりケイタの顔を真っ直ぐ見ることが出来ない。
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