再会
病院に戻っても、仕事は全然手に着かなかった。
ケイタと過ごした懐かしい日々を思い出してひとりで微笑んでみたり、過ちを犯した瞬間を思い出して背筋がゾッとする感覚に耐えみたり。
でも結局私がたどり着く瞬間はケイタと別れた夏の日だった。仕事が終わり更衣室に置いておいた残りのコーヒーを飲んだ。
すっかり冷め切っている。
でも私にはこれがちょうどいいのかもしれない。
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