平凡な恋の話 No.1
『・・・ほら、マッピ』

そういって渡されたのは上が丸くて下が細長い

変な穴が上下に開いている変なの・・・

『なんですか・・・これ』

『マッピ・・・

 マウスピース』

・・・だからそれがなんなんだよぉ!!

『吹いてみろ、洗ってるから・・・』

・・・どうやってだよぉ

やりかたくらい教えろよぉ!!

『丸いほうに口あてて、口ブルブル・・・』

変な説明のしかた・・・

とりあえず教えてくれたからいっかぁ・・・

先輩が言ったとおりにしてみると

クオォー、カー・・・プスー

『なんじゃぁ、この変な音!!』

変な音にビックリする私

『・・・なってんじゃん

 それでいいんだよ』

『へっ?

 これで、いいんですか?』

『あぁ、それでいい』

なんだぁ、よかったんだぁ

ちょっと安心・・・

案外、楽しいなぁ吹奏楽・・・

さらに、適当に吹くとなんと、音階ができた!!

うれしくって、うれしくって思わず

『先輩っ、音階できましたよっ!!』

って、思いっきり笑顔でいっちゃった!!

先輩のことだから、

‘そんくらいのことで、喜ぶなっ!!’

っていいそう・・・

あぁ・・・こわいよぉ・・・

でも、帰ってきた答えは私が思っていたものとは

全く違った・・・
< 21 / 39 >

この作品をシェア

pagetop