平凡な恋の話 No.1
だから、今年も全国コンクールは
‘無理’だろうって言ってるんだってさぁ
・・・いきたいなぁ
私がそんな事を思い、ため息をつくと
『今年こそ全国コンクールに
いきてぇな・・・』
『えっ・・・?』
今、しゃべったのって
海我先輩・・・?
私がじぃーっと先輩を見てると
先輩がこっちにきずいて楽器をもって、
私の方に来た
『・・・この学校のブラスは
顧問も含めてコンクールは
全く興味がないらしい
だからいつもこの時期はのろけるんだ』
あ・・・
海我先輩の悲しそうな顔・・・
初めてみた・・・
私は息をのんできいてみた
『せ、先輩は
コンクールで優勝し・・・』
『優勝してぇえよっ!!
でも、ブラスの連中はヤル気ゼロ
だから・・・行きたくもいけねぇ』
私が質問している途中で
海我先輩が叫んできた
そんなにいきたいんだぁ・・・
私は少し悲しかった
それは何で悲しいのか自分でも
わからない・・・
下を向き、今まで構えていたトランペットを
下げた・・・
『わりぃ・・・
お前もそうだろ?
どうせコンクールなんてどうでも良いって
思ってんだろ・・・』