りんごあめみたいな
祭り当日。
ちょっと気合いいれて浴衣。
だってこうでもしないと中島はあたしなんか見ないと思うから。
ちょっと余裕を持って集合場所へ。
途中、近所の人達に「似合うね」と褒められて気分も上がる。
集合場所には中島がいた。
早くない?まだ集合時間まで10分あるのに。
中島はあたしに気付くと手を振ってきた。
あたしも振り返しながら小走りで中島の元へ。
中島はあたしを見て
「いいね、浴衣。なんかその色、川上に似合うし。」
と、褒めてくれた。
黒っぽい背景に赤い花が咲く浴衣に赤い帯。
ちょっと大人っぽいかな、て思ってたから。
褒められて嬉しかった。あたしの大好きな赤色だし。
それに、相手が中島だから。
ちなみに中島は白いTシャツにハーフパンツ。
『でも中島も中島らしい服着てるじゃん』
お返しに中島も褒める。
そう?と中島は笑う。
他愛もない会話をしてると集合時間をちょっと過ぎた頃中島の携帯が鳴る。
「はい」
中島は電話に出た。
たぶん小川さんだろうな。
中島が赤いから。