りんごあめみたいな

でも、あんなに好きな人に悲しい顔されちゃいてもたってもいられない。


弱弱しく今にも泣きそうな顔されたらなんだかいつの間にか抱きしめていて。




心の中に隠していた想いもすべて言って最後には・・・。




熱くなった顔を覚ますためにまた、顔に水をぶつけた。


顔を洗い終わってそのままリビングへ。


リビングにつくと、テーブルの上にフレンチトーストとサラダ。



お母さんは、もう仕事に行っちゃったらしい。


時計を見たら10時。


お母さんが起こさなかったのは、あたしに気を遣ってたのかもしれない。

家族にまで気を遣わせるなんて。

なんだか、自己嫌悪に陥った。



フレンチトーストをかじるとふわっと甘い味が口の中に広がった。


さっき作った紅茶を飲んでから、サラダを見る。


レタスとトマトとツナが入ったサラダにドレッシングがかかっているシンプルなサラダ。


あたしはサラダの中の赤いトマトをフォークで突き刺し、口に入れ込んだ。


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