りんごあめみたいな
小川さん以外の人じゃ誰も、もちろんあたしもその現象は起こせない。


広がるモヤモヤ。


そんな時、あたしには魔法の呪文がある。



『トマト!』



そう、中島に向かって言うだけ。


中島はすぐあたしの所に来てくれる。


「なんでトマトって呼ぶんだよー」


『トマトが嫌だったらオカメインコはいかがでしょう』


「なんでオカメインコなんだよっ!」


だって小川さんと話す時の中島、オカメインコそのものじゃん。


『よくお似合いですよー』


「嬉しくねーよっ!」


優しく笑いながらそう言ってあたしのおでこにデコピン。


でもぜんぜん痛くないんだ。


デコピンされた所を触れる。


なんだかドキドキしてきた。


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