りんごあめみたいな

だんだん落ち着いてきたから教室に戻る。


友達も心配してくれたみたいで。


「なんか体調悪いの?」

「なんかあった?」


とか言ってくれる。


ありがとう、大丈夫って言う。


中島は小川さんと話していてトマトになってる。

「お前、どうした?」


あたしに気付くとそう言ってきた。


隣では小川さんが「何かあったの?」という顔でこちらを見る。


2人が並んでいる姿。

中島の赤くなったほっぺ。

小川さんの優しさ。


なんだかイライラしてきた。


「なんでもないよ」


そう言って早く立ち去ろうとした。


このままじゃ2人に向かって最悪な言葉を言いそうだから。


でも中島の手があたしの腕を掴んだ。


ドキン


「なんでもないわけないだろ。お前さっき泣いてた…」


「うるさいっ!なんでもないって言ったでしょ?」


そうはきすててあたしは中島の手を振り払う。


そう、ただの八つ当たり。


中島と小川さんが驚いた顔してる。


どうしてもこの場にはこれ以上いられないからその場を逃げ出す。


視聴覚室。


ここはあまり人が来ないから。


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