パーフェクトな彼氏彼女
あの日のことは忘れないだろうな…。
初めてモデルの仕事をした日、家に帰ったら、兄貴からの置き手紙。
『じゃあな』
って一言だけ。
柄にもなく、俺は泣いた。
仲がいいわけじゃなかったけど、唯一血のつながった人だったから。
大家さん夫婦はいてくれたけど、やっぱり寂しかった。
モデルの仕事も始めたから、常に笑顔でいるように心掛けた。
仕事は大好き。
でも、学校の奴らも雑誌の読者も俺の笑顔に騙された。
大家さん夫婦は騙せてなかったかもしれないけど、気付かないフリをしてくれた。