パーフェクトな彼氏彼女
「数か所、目星をつけて探しに行ったんだ。でも、なかなか見つからなくてさ…。もう諦めようかと思っていた時に出会った人が、親父のこと知ってたんだ…。」
出会った人って誰だろう?
親父の友達とか同僚とか?
「………。」
兄貴は黙ってしまった。
「それで?」
俺は先を促す。
「あぁ、それで俺は親父に会うことができた…。ただな、親父…俺たちのこと覚えてねぇ…。俺たちどころか、自分のことすら覚えてねぇんだよ…。」
え…?
それって…。
「記憶…喪失ってこと?」