パーフェクトな彼氏彼女



「数か所、目星をつけて探しに行ったんだ。でも、なかなか見つからなくてさ…。もう諦めようかと思っていた時に出会った人が、親父のこと知ってたんだ…。」





出会った人って誰だろう?



親父の友達とか同僚とか?





「………。」





兄貴は黙ってしまった。





「それで?」





俺は先を促す。





「あぁ、それで俺は親父に会うことができた…。ただな、親父…俺たちのこと覚えてねぇ…。俺たちどころか、自分のことすら覚えてねぇんだよ…。」





え…?



それって…。





「記憶…喪失ってこと?」







< 441 / 481 >

この作品をシェア

pagetop