ミステリアス∽ストーリー
「先生。席を用意してます」
挙手をしたのは、号令の声の主。
彼女はそう言うと、教室後方の窓際へと歩み、空席に近寄ると、手を添えて示した。
「まぁ、麗香さん。流石、気が利く方ですね」
担任教師は、打って変わり、笑みを浮かべて非常に褒めた。
そして、直ぐ様表情は無表情へと戻る。
「では、神崎さん。席にどうぞ」
担任教師は、愛梨を横目で見る様にしながら、席に着くことを促した。
「はい」
愛梨は、用意された席へと歩みを進めた。
生徒達は、全員、真正面を見据えたままでいる。
愛梨は、敢えて気にも止めないでいた。
静かに席に座る。
「東郷学園へ、ようこそ」
ふと、声が聞こえた。
愛梨は、辺りに目を移す。
クラスの全員は、真っ直ぐに前を見据えていて、愛梨は、誰が言ったのか、わからなかった。
朝礼は速やかに終わり、生徒達は、号令とともに担任教師に起立の一礼をすると、担任教師は、教室を後にした。
朝礼時間の終了を告げるチャイムが鳴り響く。
クラスの生徒達は各々、自分の机の引き出しから教材を手に取ると、速やかに教室を後にして行った。
あっという間に、愛梨は、教室に一人となった。
「一限目は、化学、か…。皆、早いのね…。化学室って何処なんだろう…探さなきゃ」
愛梨は呟きながら、とにかく向かおうと、席を立った。
そして、教室を出ようと歩みを進める。
「三階だよ」
「え?」
後方から声が聞こえたので、愛梨は、振り返った。
誰もいない。
愛梨は、首をかしげ、目を落とす。
【そうよ。私しかいないんだもの。……でも…声がした………?】
「教室を出て右へ。そして、階段…」
再び声が聞こえ、途中で途切れた。
愛梨は、流石に目を丸くしながら辺りを見渡した。
朝で明るいせいか、恐怖感は、少しも感じず、ただ、不思議感に浸っていた。
「あっ」
時計の時刻が目に入る。
「ヤバイ!一限目始まる!」
愛梨は、慌てて教室を出た。
聞こえた声の通りに右へ行く。
すると、階段があった。
上ってみると、上がりきった正面に、『化学室』と書かれた教室があった。
挙手をしたのは、号令の声の主。
彼女はそう言うと、教室後方の窓際へと歩み、空席に近寄ると、手を添えて示した。
「まぁ、麗香さん。流石、気が利く方ですね」
担任教師は、打って変わり、笑みを浮かべて非常に褒めた。
そして、直ぐ様表情は無表情へと戻る。
「では、神崎さん。席にどうぞ」
担任教師は、愛梨を横目で見る様にしながら、席に着くことを促した。
「はい」
愛梨は、用意された席へと歩みを進めた。
生徒達は、全員、真正面を見据えたままでいる。
愛梨は、敢えて気にも止めないでいた。
静かに席に座る。
「東郷学園へ、ようこそ」
ふと、声が聞こえた。
愛梨は、辺りに目を移す。
クラスの全員は、真っ直ぐに前を見据えていて、愛梨は、誰が言ったのか、わからなかった。
朝礼は速やかに終わり、生徒達は、号令とともに担任教師に起立の一礼をすると、担任教師は、教室を後にした。
朝礼時間の終了を告げるチャイムが鳴り響く。
クラスの生徒達は各々、自分の机の引き出しから教材を手に取ると、速やかに教室を後にして行った。
あっという間に、愛梨は、教室に一人となった。
「一限目は、化学、か…。皆、早いのね…。化学室って何処なんだろう…探さなきゃ」
愛梨は呟きながら、とにかく向かおうと、席を立った。
そして、教室を出ようと歩みを進める。
「三階だよ」
「え?」
後方から声が聞こえたので、愛梨は、振り返った。
誰もいない。
愛梨は、首をかしげ、目を落とす。
【そうよ。私しかいないんだもの。……でも…声がした………?】
「教室を出て右へ。そして、階段…」
再び声が聞こえ、途中で途切れた。
愛梨は、流石に目を丸くしながら辺りを見渡した。
朝で明るいせいか、恐怖感は、少しも感じず、ただ、不思議感に浸っていた。
「あっ」
時計の時刻が目に入る。
「ヤバイ!一限目始まる!」
愛梨は、慌てて教室を出た。
聞こえた声の通りに右へ行く。
すると、階段があった。
上ってみると、上がりきった正面に、『化学室』と書かれた教室があった。