さくらんぼ

◇嫌い?のきっかけ

「ねぇ、あいつはどうだったんだろうね」

「!!そうなの!この結果じゃ絶対に無理だよ!」

「あ。噂をすれば。あいつ、葉菜に気づいたみたいだよ」

「え?」


わたしの肩越しに覗き込んだコハの視線の先を追うと、教室の後ろの方で男子達と話していたあいつは、わたしと目が合うと、座っていた椅子から立ち上がり、そのままこっちに向かってきた。


「おう、西島!!お前、いくつだった!?」

「……桜木」


そう。
わたしが身長を伸ばしたい理由はこいつ、桜木風夜にある。

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