さくらんぼ
今回相当な地震があるのか、桜木はかなり上機嫌。

そんな桜木から目をそらそうとしても、追うように視線をかぶせてくるものだから、逃げることができない。

いつもは一緒にいて楽しいと思う桜木でも、今に限ってはすごく憎たらしい!

仕方なく、本当に仕方なく、悔し紛れにわたしは桜木を上目でにらみ付けながら、結果用紙に書かれてある数字を小さな声でつぶやいた。


「……ち」

「えー?」


本当に聞こえてないのか、それとも聞こえててわざと聞こえなかったフリをしたのか。
桜木は、耳に手を当てて大げさにわたしの口元に近づいてくる。

……むかつく。

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