さくらんぼ
「ん?どうした?顔、赤いけど」

「べ、別になんでもないよっ」

「そうかぁ?熱でもあるんじゃねぇの?」

「えっ!?ちょ、桜木……!?」


そう言って桜木は、さらにわたしに近づいてきて、大きくて温かい手のひらをわたしの額に当て、もう片方の手は自分の額に当てて熱を比べてきた。


「んー。熱はないか」

「……っっ」


あまりの近さと、今のこの状況が恥ずかしすぎてわたしはさらに顔が熱くなるのを感じ、ぎゅっと目を瞑りながら俯いてしまう。


「西島……?」

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